前/切符を買うまで
2005年2月いっぱいで、特急「さくら」が廃止されました。
栄光の寝台特急「さくら」。
トップナンバー1レ、2レの列車番号を冠していた時期もありました。
そんな特急「さくら」が廃止になる前に乗っておこうと
鉄道ファンとしては、乗らずにはいられないと、長崎から郷里の東京まで往復を考えました。
しかし、近々、引っ越しを控えており、多額の出費を考慮して断念。博多往復に変更です。
だからといって、ただ長崎から肥前鹿島、佐賀、鳥栖を経て博多までの、
順当な往復ではおもしろくありません。
そこで往路は、以前から、いちどは乗ってみたいと思っていたコースをたどり、
復路で特急「さくら」に乗車することにしました。
往路に選んだのは
1)長崎からJR長崎本線、大村線、佐世保線で諌早、大村、早岐を経て佐世保まで
2)佐世保から松浦鉄道西九州線に乗りかえ佐々、たびら平戸口、松浦を経て伊万里まで
3)伊万里からJR筑肥線で唐津まで
4)唐津からJR筑肥線、福岡市営地下鉄空港線に乗り筑前前原、姪浜を経て博多まで
以上、佐世保、伊万里、唐津での3回の乗りかえで、西九州を走るコースです。
そこで、長崎〜佐世保〜たびら平戸口〜伊万里〜唐津〜姪浜〜博多
〜鳥栖〜佐賀〜肥前鹿島〜諫早の1周を1枚の乗車券で買うことにしました。
しかしJRの窓口で聞くところによると、
「西九州線内で途中下車しなければ、1枚の乗車券で作ることができるが、
福岡市営地下鉄は、通しの乗車券では買えない」とのこと。
なもので、まず、往路、長崎から姪浜まで乗車券5170円を購入します。
姪浜からの地下鉄290円は、下車する博多で支払うことにして、合計で5460円です。
でも、長崎〜肥前鹿島〜佐賀〜博多のコースをたどれば、運賃は2730円、
ちょうど2倍の金額になります。
そして復路。今回の最大の目的、寝台特急「さくら」への乗車ですが、
特急券、B寝台券を買おうとしたら、また問題が発生してしまいました。
博多〜長崎は特急券1680円、B寝台券6300円で7980円。
立席特急券だと、B寝台券が含まれず1680円だけですみます。
ならばと、立席特急券を頼みましたが、廃止間近の時期だけに満席です。
仕方なく、特急券とB寝台券を買うことに決めました。
しかし、よくよく調べてもらうと
「立席特急券の区間内では特急券、B寝台券を売れない」といわれました。
えっ、じゃあ、どうしたらいいのでしょう?
その日に、「さくら」に乗れなければ意味がないのです。
すると窓口から、ひとつの提案がありました。
「『さくら』の場合、下松(山口県)から立席特急券での乗車となるから、
ひとつ手前の停車駅、柳井(山口県)からだったら特急券とB寝台券が買える」と。
それは、そうですが…。乗ってもいないのに、もったいない。
料金を聞いてみたら、特急券とB寝台券あわせて8820円。
博多からとの差額は840円。でも迷っていられません。もう、そうするしかないのです。
ということで、柳井から長崎までの特急券とB寝台券、
博多から長崎までの乗車券を購入しました。
波乱の多い幕開けでしたが、どうにか当日を迎えることができました。
ここで、それぞれの所要時間を時刻表からわりだしてみます。
往路を予定通りに乗ってみます。順当にいけば、
長崎を10時14分に発ち博多に着くのは17時35分、列車待ちの時間を含めて7時間21分。
復路は「さくら」1本で、博多発9時56分、長崎着が13時05分。で、3時間09分。
博多往復10時間30分の旅となります。
ちなみに博多から長崎まで、特急「かもめ」の最短で1時間51分。往復でも3時間42分。
う〜ん…。でも、まぁ、いいか。それが目的なんですから。
ひさしぶりの、のんびりした旅になることでしょう。
(注)運賃・料金、時刻・時間は、すべて乗車当時のものです
後/「さくら」に乗る