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其之弐拾陸☆壱
住居表示って?(1/6)
2006年(平成18)2月2日


これまで、このコーナーで「街区表示」とか「住居表示」とか、「住居表示が実施される」とか……
わけの分からない、まったくもって聞き慣れない言葉を使ってきました。
特別な専門用語ではありませんが、だからといって日常会話のなかで、頻繁に使われる言葉でもありません。
奥様方の、たわいない井戸端オシャベリのなかには、まず登場しない言葉でしょう。
では、「街区表示」とか「住居表示」とは、いったい何なのでしょうか?
今回から6回に分けて、その真相を探ってみることにします。

(1)地図のなかに数字の羅列

地図……。誰でも見たことがあるでしょう。
たとえば、小中学校、高校など社会や地理で習う地図帳があります。
世界地図から日本地図、都道府県別地図に市町村別地図、また都市区分図や道路地図にイラストマップ、
さらに国土地理院発行の地形図……などなど、用途に分けていろいろな表現方法の地図があります。
最近では、自動車に備え付けの3Dナビゲーターなる電子地図もあるようです。
多種多様な地図がある中、比較的縮小率の低い地図を見てみます。
すると都道府県名や市町村名、それぞれの地図記号から、目印になる公共施設などの建物、
川や道路、鉄道線路に境界線などが事細かに描かれています。
さらに目を皿にして、よくよく見てみると、小さな数字が有象無象と書かれているのに気がつきます。
数字は「1」から順序よく並んでいるわけではありません。途中、数字が抜けていることもあります。
省略されていたり、実際になかったり……。
その数字は、小数でも分数でも……、マイナスの数字でもありません。もちろん「0」もありません。
まして数字があるからといって、難しい四則計算や、
訳の分からない微積分などの計算式がでてくるわけでもありません。
ほとんどが1ケタか2ケタ。たまに3ケタや4ケタがある程度です。
れっきとした素数が並んでいるだけです。
では、地図に描かれている細かい数字の羅列は、いったい何を意味しているのでしょう?
ナゾが謎を呼び起こしていますが、ひとことで言ってしまえば、住所を示す番号のことです。
日常的に何の疑問も抱かず、当たり前のように使っている住所を示す数字。
実は、その数字にもちゃんと意味があり、決まりごともあります。奥深いものなのです。

街を歩いていると、街角や建物ひとつひとつに、特殊な表示板が掲げられてることに気がつきます。
街角に掲げられているタテ長の表示板には、町の名と数字が描かれ、
家屋やビル、ひとつひとつに掲げられている小さな表示板には、
ハイフォンでつながれた、2つの数字が描かれています。
それは広告看板の代表格・琺瑯(ホーロー)看板とは、まるっきり性質が違います。
琺瑯看板のように自己主張は全然していません。無機質な感じさえします。
何気なく存在し町の中に溶け込んでいて、まるで空気のような控えめな表示板です。
町の中では、カメレオンのように擬態化しているものの、
実際、一部の本当に必要としている人々にとっては、もっとも重要な存在なのです。
原則として、この表示板を掲げている町を住居表示を実施している町といい、
掲げていない町を住居表示を実施していない町といいます。
そう。現在、住所は2通りの言い方をしているのです。
さてさて、住居表示が実施しているとか、していないとか……いったいどういうことなのでしょう?
少し詳しく書いてみます……。


「☆弐」へつづく

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